味噌に関して

飲食店の仕事は「来て頂いたお客様に充分な満足感を与える」の1点だと思います。その上で、ではどんなお客様に(客層)何をどのようにして価格同等の満足感を得ていただくのか?という具体論でメニュー構成が決まるものであると思っています。
現状、なな家の場合は3世代構成の家族に対応しているつもりです。そのためにメニュ数が多くラインナップされています。それが当店のビジネスラインでもあります。

一方、私個人の拘りとして「日本のだし」に着目し、その良さを認識していただくと同時に次世代へ日本固有の食文化の伝統を屈折することなく継承できないものかということをメニュー構成に味付けしているつもりです。何故かと申しますと自分の存在価値を高めるための使命感であると勝手に位置づけているからです。当然のことながらビジネスライク(商売繁盛)とは無縁の考え方でもありますが・・。でなければ「淡麗」などという看板は掲げませんよ。「濃厚」にします(笑

前置きはさておき、「味噌味の中華そば」をメニューにすることに当たり、そのメニューの存在価値とは何ぞやと自問すれば答えに困ります。今までは味噌があってもいいかな?ぐらいに考え、メニューに表記すれば、それなりに注文は入ってきます。無難に作りこむことで可もなく不可もなくビジネスライクな商品としての位置づけでありました。個人的な思い入れやら、拘りなんてものはなかったかな?

人間ってのは目的のない行動はないわけで、同様にこのメニューの目的意識がないことに気づき、今回の改定に至りました。

味噌の中華そばのあるべき要因を「濃く」「渋く」「赤く」「爽やかに」とし、「生粋の三河人が泣いて喜ぶ」をテーマにした理由は以下に掲げます。

対象客層は少なくとも本籍地がこの地方である方、さらに言うなら、三世代に渡りこの地方(三河)を生活居住とされている方に絞りました。「生粋の三河」というカテゴリはそれくらいの条件かなと思われますので。

三河で味噌といえば豆味噌である八丁を始めとする通称赤味噌。

全国的に一般な味噌は米と大豆から作る白系の米味噌である。豆味噌はこの中京圏だけでしか製造されていない。マルサンやイチビキなどの大手を含め数多くの製造業者が存在していてその中でも稀有な存在が「カクキュー」と「まるや八丁味噌」であろう。まるやの記録によれば、醸造開始は室町時代以前から行われていたということになっており、日本最古の醸造所ではないかともいわれているらしい。が、「八丁味噌」は普通名称として位置づけられ、商標登録できない状況となっている。私個人は「八丁味噌」といわれるものは、この2社が製造したものに限り、他の豆味噌は三河味噌、参州味噌という括りであると思っている。古くは戦国武将の兵糧として活用し、調味料として使われるようになったのは江戸時代に入ってからのこと。代表的な使い方が味噌汁であり、この地方では「赤だし」と呼んでいる。

薀蓄はそれぐらいにして、その後「味噌カツ」や「どて」「味噌煮込みうどん」などこの地域特有の赤みその使い方をしていくわけだが、それだけ人々の食生活が赤味噌と密接な関係であったともいえるのでしょう。

しかし、大勢は多数を形すると言いますか、流通量では米味噌が一般的であり、濃さ、塩辛さ、渋さなどから赤味噌は敬遠されがちであり、他地域から揶揄もされることもあるようです。

カツにみそっ?てなもので他地域の方にはどうも理解を得がたいようなことはよく耳にします。

特産品であるにも関わらず、その誇りを持たず他所の意見に惑わされ、逆に慣れしてきんだ味わいにコンプレックスを抱いていないでしょうか?
ラーメンに赤味噌は合わないとも聞きます。だけれどそれは誰が言い出したんですか?関東の方ですか?関西の方ですか?本籍地がこの地方にある方ならまだしも、赤味噌文化が根付いていない地域出身の方に言う権利があるのですか?

合う合わないを問うよりも馴染みがあるかないかを問うべきだと思います。

一汁三菜が基本の食事の形であるならばその汁は味噌汁であることが多いはず。そしてその味噌はその地域特産の味噌であることが自然ですね。なぜなら皆、幼少の頃からその味噌汁の味に馴染んでいるからです。味の記憶は幼少期から蓄積され、心和む味わいはやはりおふくろの味といったところでしょうか?

この地域は自動車産業を始め、第二次産業が盛んであり同時にその産業の担い手として九州を始めとする地方からの流入者が多いですね。

馴染みのある味は生まれ育った味であり、この地域で世代を重ねるごとに地域の味といわれるものは残念ながら薄れていくはずです。スーパーの店頭でも多種多様な味噌が陳列されており必ず九州特産の麦味噌もラインナップされております。心が和み馴染みのある味わいが「赤だし」ではなくて世代を重ねるごとに「ミックス」されていくのだあろうと予測され、赤味噌に対する執着心も薄らいでくるのは当たり前ですよね。

今の幼き子供達がどんな食生活をし何を好んでいるか?その親達の食生活がそのまま伝達され尚且つその時代のトレンドがプラスされていくのでしょう。食生活における嗜好は世代の循環作用で変革していくと思われます。

味噌の味は嗜好品であり馴染みの深さで好みが分かれるもの。赤味噌はこの中京圏の特有品。従ってこの土地のみで世代の循環が起これば、他の味噌に嗜好が向かわれることはないのでしょうけれど、そんなことはありえない話かと。

従って、赤味噌に対する執着心みたいなものは時が経つにつれ薄れてくることは僻めないでしょう。


赤みその醸造が始まって、600年以上が経ちます。なくてはならない食品からなくても困らない食品へと位置づけが変わっていると思うことは言いすぎでしょうか?

八丁の味噌蔵は文化遺産でありますが、カクキュー、まるやともに製造業であります。製造、販売を生業としているならその商品は消費され続けなければなりません。が、上記の理由を主とするならば赤味噌の消費拡大要素は見出すことができません。

私個人のことを申し上げますと、自分が認識している限りでは家系的に4代目に当たり、息子は5代目です。先代からこの土地で生活を営んでおります。母方の家系もそのようです。ですから当然、赤味噌に馴染んできた家柄といえるでしょう。赤だしも味噌カツも味噌うどんも普通の当たり前の食事ですし、私の子供達にとっても普通の食事であります。自然に赤味噌に対して馴染んでますが、また子供達が育ち、それぞれ家庭をもったならば、またその子供達にその味わいが自然と伝承されていくものかどうかはわかりません。なぜなら、違う味噌に馴染み持つ伴侶を得るかもしれないからです。


現在、自分は飲食店の仕事をしており、料理を製造、販売することにより利を得る生業をしております。顧客のニーズに合わせることで販売の良き結果が生まれます。望まれないものを提供しても誰も喜んでくれませんよ。
だけれど、商売を通じて食文化の伝統を伝承したいという戯けたことを念頭においているものですから純粋に利の追求ができないのです。

赤味噌のラーメンってそそられますか?  旨い味噌ラーメンならそそられますけど・・。


自分の置かれた立場、生まれ育った境遇、生を授かった責務、その存在価値。それらを踏まえて答えを出すとみそに関しては赤味噌のラーメンを作り、それに触れていただく機会を創生するという結論です。


こんなに重く考えなくても良いことかも知れませんが、赤味噌を使いこなし、他の味噌を凌駕するようなものができればいいですね。今現在、自分にできることはビジネスさておき、NPO的な発想で赤味噌に触れる機会を閉ざさずに微力中の微力でありますが伝統の伝承に寄与していければと思っております。




まだ、つづきます・・・・いつ終わるんだろうか?これっ


あっ、業務連絡です。
魚貝ラーメン・・終売しました。
桜鯛・・・日曜日までの提供です。
来週は新しい限定品がやれると思います。

山六の麺・・・変えます。


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Comment

カッコつけて言うと三河の食文化でしょうね。
味噌カツなんて味噌辛くて食べられないって人多いですね。食べた事ないのに。

そして・・・
豊田にも独特の食文化があるんですね。
名古屋地区と比べると分かりやすいですが
特にランチタイムにはコスパの優れるお店が多いような気がします。
コロッケ喰い放題のお店も有りますし・・・(笑)
とにかく豊田地区のお店は平均して量が多いですよ。

2012.04.15(Sun) 23:30       どこまでも さん   #-  URL       

赤味噌万歳!\(^o^)/

今後の展開にも期待してます(笑)

2012.04.16(Mon) 09:31       あっくん さん   #-  URL       

Re: タイトルなし

>どこまでもさん

ひょんなことから・・顔バレしてますよ(笑
いつもありがとうございます。

豊田の量に対するこだわりはえげつないですねー
居酒屋でも刺盛はとりわけ量を競って1000円で10種20貫なんてのもありますよ

某自動車会社の社風に起因してると自分は推測してますが(笑

2012.04.17(Tue) 23:42       奈々家 さん   #-  URL       

Re: 赤味噌万歳!\(^o^)/

> あっくんさん

赤味噌ばん万歳!

2012.04.17(Tue) 23:44       奈々家 さん   #-  URL       

はじめまして。

いつもこのブログやななやさんのラーメンを楽しみにしております豊田市民です。慣れ親しんだ赤味噌のラーメンですか。。。楽しみです。利益も大切ですが文化や伝統というものに重きを置くところに”戯けたこと”とは少し思いません。むしろ尊敬の念を抱きます。先日頂いた西尾の某所で食した味噌ラーメンは残念ながら私の好みではありませんでした。期待が大き過ぎたようです。赤出汁は大好きのくせにラーメンの好みでいうと甘めの味噌の方が好みなのです。うむう、目から鱗の味噌ラーメンが食してみたいものです。期待しております。頑張ってください。

2012.04.21(Sat) 02:00       珀 さん   #-  URL       

深ぇ...w
たかがラーメンされどラーメン、プロの作る食事、いや麺料理。
その某社の社風とはズレたところがあるのがなな家さんですかね。
いや、褒めてますしもちろん僕は好きです。
その辺の某社の考え方は好きでないけど某社のお陰で生きてますがw

2012.04.21(Sat) 05:35       新参者 さん   #-  URL       

赤味噌のラーメンと言えば、
いなや@長久手のみそ中華が美味しいと思います。
食べたことなければぜひ!

2012.04.21(Sat) 08:06       岡崎生まれ さん   #-  URL       

Re: はじめまして。

>珀さん
こちらでは はじめまして。

目から鱗・・・・w

あまり期待せずに長い目で見てください。

2012.04.22(Sun) 00:24       奈々家 さん   #-  URL       

Re: タイトルなし

>新参者さん

毎度様です。

私も某社のお陰で商売させていただいております。当たり前ですが・・

2012.04.22(Sun) 00:27       奈々家 さん   #-  URL       

Re: タイトルなし

> 岡崎生まれさん

すぐっ!行って来ます。

ありがとうございます。

2012.04.22(Sun) 00:28       奈々家 さん   #-  URL       

味噌いただきました

先日お伺いさせていただき、早速味噌をいただきました。
第一印象は蟹や浅利で出汁をとったときの赤だしに
似てるなと思いました。

また、しっかり赤味噌の渋みも感じれました。
赤味噌に馴れていない方には少し抵抗があるかもしれませんが、私は好きです。
三河文化万歳!赤味噌万歳!

2012.04.22(Sun) 21:56       わらこ さん   #NZF1P7gU  URL       

>わらこさん

ありがとうございました。

イメージとしては赤だしの豚汁と貝汁をミックスさせたようなもの・・という感じで作っているのでそう感じられたのかな。 まだまだですが、もっといいもの作りますね。
赤味噌バンザイ!

2012.04.23(Mon) 00:38       奈々家 さん   #-  URL       

いかんせん

麺が。

ずっと通ってるけど何で変えたん?好きになられへん。

2012.06.28(Thu) 00:02       とのさん さん   #Mc.KE39I  URL       

Re: いかんせん

>とのさんさん

通っていただいていてありがとうございます。
恐縮します。

ここの記事でのコメントということは「味噌」の麺ということでしょうか?そこは未だ変更はしてないのですが。
麺変更したメニューは塩、山六、つけ、まぜ、ですがどこのメニューでしょうか?

麺変更の理由は3,4項目ありますが品質的に自己満足させるにはやはり自分で作らないと、、と思ってます。
いずれはそのつもりでいたりもします。

2012.06.28(Thu) 00:41       奈々家 さん   #-  URL       

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